楽天市場には多数の店舗が出店しており、大量の商品が販売されています。
ユーザーに運営店舗の商品を見つけてもらうことが、楽天市場の売上の第一歩になります。
楽天ユーザーに商品を見つけてもらうために有効なのが、楽天市場のRPP広告です。
RPP広告とは、商品検索結果の上部に商品を掲載することができる広告枠のことです。
楽天市場で広告運用を始めるなら、まず最初に実施してほしいのがこのRPP広告です。
RPP広告の概要から運用の仕方までを解説します。
楽天市場のRPP広告とは?
楽天市場のRPP広告は、検索連動型広告です。
まずは概要について確認していきましょう。
■広告費用について
RPP広告では、広告がクリックされた実績に応じて広告費用が発生します。
広告費用は掲載枠・掲載日時で決定するのではなく、クリック数とクリック単価によって決定します。
クリック単価(CPC)は商品ごとに設定することができ、あらかじめ月額予算を決めて運用することが可能です。
設定したクリック単価に、実際のクリック数を掛けた金額が楽天市場から請求されます。
■広告の配信について
RPP広告では、広告を表示するページや、どのユーザーに広告を表示するか等を選択することはできません。
RMSに登録されている商品が自動で連携され、商品と関連性が高いページへ配信されます。
商品ページの記載内容や、楽天市場を利用しているユーザーの購買データ・行動履歴などをみて、関連性が高いと判断されたページに表示されます。
■掲載の停止・再開について
RPP広告は、店舗運営者の好きなタイミングで掲載停止・再開することできます。
なお、お買い物かごが有効でない場合は広告が掲載されないため注意してください。
■効果測定について
パフォーマンスレポートを活用することによって効果測定が可能です。
RPP広告は事前に広告予算を設定できるので、予算を使いすぎるということがありません。
また、広告をクリックされて初めて費用が発生するクリック型課金なので、費用対効果を計算しやすい広告メニューです。
楽天市場でRPP広告を運用する方法
RPP広告はCPC単価も安く、簡単に始められるというのがメリットの一つです。
ユーザーが広告をクリックすることで初めて広告費が発生するため、広告費が無駄になりにくいというのも魅力です。
しかし当然ながら、適切な効果測定と改善を行うことで、より無駄なく広告運用ができるようになります。
RPP広告を出稿している店舗運営者は、以下の手順で効果検証を行うようにしてください。
パフォーマンスレポートの確認方法
- 運営店舗のRMSにログインし、左メニューの「広告・アフィリエイト・楽天大学」をクリックする
- 「1.広告(プロモーションメニュー)」から「検索連動型広告(RPP)」を開く
- ページ上部のナビゲーションから「パフォーマンスレポート」を開く
パフォーマンスレポートの使い方_その1:項目を知る
パフォーマンスレポートを見るうえで知っておくべき項目は以下の通りです。
項目名 | 説明 |
有効予算 | 配信対象となっている予算金額 |
日付 | 集計期間で指定した日付 |
商品管理番号 | 商品管理番号 |
キーワード | 店舗様が登録したキーワード |
入札単価(CPC) | キャンペーンごとに設定した1クリックごとに支払う単価 |
消化率 | 実績額を予算で割って算出した、予算利用率 |
CTR | 原稿が表示されたうち、クリックされた割合 |
目安CPC | 検索結果に表示されるために必要な目安のCPC |
商品CPC | 商品ごとに設定したいCPC単価 |
キーワードCPC | キーワードごとに設定したいCPC単価 |
クリック数 | 獲得したクリック数 |
実績額 | クリックの獲得にかかった広告費用 |
CPC実績 | 実績額をクリック数で割った、平均のCPC |
売上金額 | 広告経由でたった売上金額(税込) ※店舗内全商品が対象※クロスデバイスでの売上を含む |
売上件数 | 広告経由でたった売上件数 |
CVR | 売上件数(店舗内)をクリック数で割って算出した、広告経由の購入転換率 |
ROAS | 売上金額(税込)を実績額で割って算出した、広告経由の売上金額(税込)に対する、広告費用の回収率 |
注文獲得単価 | 実績額を売上件数(店舗内)で割って算出した、1件の売上を獲得するのにかかった広告費用 |
合計 | 全顧客を対象にした値 |
新規 | 過去2年以内に当該店舗から一度も商品を購入したことがない顧客 |
既存 | 過去2年以内に当該店舗から一度以上商品を購入したことがある顧客 |
合計12時間 | 全顧客のクリック後12時間以内の計測値 |
合計720時間 | 全顧客のクリック後720時間以内の計測値 |
新規12時間 | 新規顧客のクリック後12時間以内の計測値 |
新規720時間 | 新規顧客のクリック後720時間以内の計測値 |
既存12時間 | 既存顧客のクリック後12時間以内の計測値 |
既存720時間 | 既存顧客のクリック後720時間以内の計測値 |
パフォーマンスレポートの成果の計算方法
パフォーマンスレポートでは、広告をクリックしてから売上が完了するまでの時間が12時間以内または720時間以内の注文について、売上金額(税込)・売上件数・CVR・ROAS・注文獲得単価を確認することができます。
パフォーマンスレポートは、RPP広告の出稿状況にかかわらず、店舗内の全商品が対象となります。
例えば広告表示された商品を経由し、自店舗の別商品が購入された場合も、売上成果としてカウントされる仕様です。
パフォーマンスレポートの使い方_その2:見るべき数字
楽天市場の広告効果を検証するうえで必ず確認すべき項目が「ROAS」です。
ROASとは「広告費に対してどれだけの売上をあげることができたのか」という指標のことで、ROAS=売上金額÷実績額(広告費)×100%という式で計算できます。
ROASが高ければ高いほど広告費を多く回収できていることになり、広告が成功したといえます。
- 例:100万円分の広告を出稿した場合
- 売上100万円……100万円÷100万円×100%=ROAS 100%
- 売上150万円……150万円÷100万円×100%=ROAS 150%
ROASが100%=利益率は0%となり、人件費等を考えると赤字ということになります。
楽天市場のRPP広告では、多くの店舗がROAS 150~250%程度で運用していると言われており、100%を切っている店舗もまだ多いようです。
楽天市場の手数料などを考えると、RPP広告で目指すべきROASは最低でも400%です。
広告を出稿しただけではこの目標を達成するのは難しいため、効果検証と改善を繰り返すことが重要です。
パフォーマンスレポートの使い方_その3:数字からどう改善施策をとるか
楽天市場で店舗運営をしている方からは「ROASが低いが、どのように改善すればいいのか分からない」という声をよく聞きます。
RPP広告のROASが低い場合、どこにその原因があるのかを探る必要があります。
詳細なデータ分析を行うことで、運営店舗の問題点を見つけ出し、改善へとつなげていきましょう。
1:ROASを確認する
まずはパフォーマンスレポートのキャンペーン別レポートを開き、ROASを確認します。
もしROASが400%を下回っている場合は、運営店舗のどこに問題があるのかを確認していきます。
2:売上の方程式を使って検証する
2-1:クリック数を確認する
楽天市場をはじめとするECサイトの売上の方程式は「アクセス人数×転換率×客単価×リピート率」です。
RPP広告からのアクセス人数は、「クリック数」と「クリック率(CTR)」で確認することができます。
CTRの数値が悪くないのにクリック数が少ない場合、そもそも広告が表示されていない可能性があります。
対策キーワードで検索し、もし運営店舗の広告が表示されていないようであれば、CPC単価を上げてみてください。
2-2:CTRを確認する
CTRが低いと感じたら、商品レポートに切り替えて、どの商品のCTRが低いのかを確認します。
RPP広告が表示されているのにクリックされない場合、商品の1枚目画像に問題がある可能性があります。
検索結果画面でのミスマッチが起きているようであれば、商品画像やキャッチコピーなどを変更し、改善を図ります。
2-3:転換率を確認する
クリック数やクリック率を改善したら、次に見るべき指標は「転換率」です。
転換率が低いということは、広告がクリックされたにも関わらず、購入せずに離脱されてしまったということです。
この場合、商品ページのコンテンツ内容を見直す必要があります。
「必要なコンテンツは設置されているか」「競合商品や競合店舗と比べてオファーの状況はどうか」などを見直し、購入につながる商品ページへと改善を行います。
パフォーマンスレポートには様々な数字が並んでおり、見るべき場所が分からないという店舗運営者も多いかと思います。
広告の効果検証においても、重要なのは「売上=アクセス人数×転換率×客単価×リピート率」という売上の方程式を使った読み解きです。
キャンペーンのレポート(全体)と商品別レポートによって運営店舗の問題点を探し出し、改善を行うことで、RPP広告のROAS 400%を目指していきましょう。
まとめ
今回は楽天市場のRPP広告について、効果検証の方法を解説しました。
ROASは商材によっても変わってくるため、まずは現在の状況をしっかりと把握し、目標を設定することから始めましょう。
もし広告費をかけても効果が出ない商品があれば、その商品は思い切ってRPP広告の対象から除外してしまうというのも一つの選択肢です。
より効率よく楽天市場のRPP広告を運用するためには、こまめに確認・改善を行うことが重要です。
運営店舗のどこに問題があるのかを把握し改善を行うことで、RPP広告の効果を最大化していってください。
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